格安スマホ事業者(MVNO)選びの項目の中から、「実効速度」について説明します。
サイトに掲載されている速度と、実際の速度はかなり違う
MVNOの公式ページには「下り最大225Mbps」など、データ通信の「速度」が掲載されていますが、それはあくまでも理論上の最大の数値、「ベストエフォート」です。
実際にデータ通信を行う場合の速度は、その10分の1にも100分の1にもなります。
これはMVNOだから、ということではなく、キャリアでもベストエフォートと実際の速度は全然違います。
そして通信の世界では実際の速度を実効速度と呼びます。
ベストエフォートと実効速度が異なるわけ
「どうして、通信速度がベストエフォートで表され、実効速度と異なるのか?」
「それならどうして実効速度で表さないのか?」
と疑問を持つかもしれません。
理由を説明するのに、データ通信を高速道路で例えます。
高速道路を走るとき、最高速度が仮に時速100kmだとしても、自動車の混み具合で実際の走行速度は変わります。
データ通信も同じようなもので、通信を利用する人や量によって通信回線が混雑して、速度が変化するのです。
具体的には、大勢の人が利用する昼休みの時間帯は遅くなりやすいです。もちろん場所にもよりますし、キャリアから借りる回線の幅(帯域幅)の太さの違いなどでも変わります。
こういった理由で、ベストエフォートと実効速度は異なっています。
そして、実効速度は状況によって変化するものなので、実効速度を公表するのは難しいのです。
実効速度はどれだけ変わる?
実効速度はどれくらい変動するのでしょうか。
通信速度はbps(ビーピーエス)という単位で表示されます。
1Mbps(メガbps)は1000kbps(キロbps)です。
例として、ベストエフォートが150Mbpsに設定されているあるMVNOの実効速度を調査しました。
最低1.5Mbpsから最高36Mbpsまでの差が出ましたが、それぞれ計測時間が違いますので、同じ場所でも速度は当然変わります。
1Mbpを切らなければ速度の差を体感することはあまりありませんが、これだけ変動するということを知っておきましょう。
どのくらいの実効速度が必要?
目安として、スマホでインターネットを見るとき、どれくらいの実効速度が必要かと言うと、1Mbpsあれば、動画などを除きほとんどストレスなく利用できるといわれています。
youtubeの動画(720P:高画質)でも2~3Mbpsあれば止まらずに再生できます。
メールやLINEなど、文字だけのやりとりであれば600kbps、つまり0.6Mbpsあればストレスを感じることなくやりとりが可能です。
平均値も大きく変動する
このサイトのMVNO一覧には、速度の目安として実効速度の平均値を掲載しています。
ですが、それも決して固定的なものではありません。
その時のユーザ数にもよります。ユーザが増えていけば速度は落ちます。
ユーザ数が増えたからと回線の増設工事をMVNOが行えば、また速度は上がります。その工事のタイミングもあります。
あくまで目安として参考にしてください。
平均値の出し方
このサイトでは独自で測定は行っていません。
いくつかのサイトで測定された速度を調査しています。
特定のMVNOを推薦したいサイトは、速度を水増しして掲載する傾向があります。
客観的に見て、そういったことをしてないと思われるサイト11を選び、そこに掲載された数字を平均したものをこのサイトに載せています。